2015年1月10日

薬局の個別指導と監査はこのように行われる!!


調剤薬局で働いているうえで一番怖いことと行ったら個別指導の呼び出しだと思う。

あんあまり縁がないと思っている人もおおいと思いますが個別指導は長くやっていればいづれは回ってきます。

突然、通知がやってきて恐怖に震え上がらないように、事前にどういうものかチェックしてみましょう。

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個別指導と監査の違い


個別指導は「保険調剤と保険請求の適正化」に重点が置かれていて、誤った請求や不適切な解釈などがある場合に注意される。誤りがある場合は自主的な調剤報酬の返還をするように指導を受ける。


監査は基本的保険のルールを守っていないことが明白な場合に行われるもので、不正や不当の事案の内容により「取消処分」「戒告」「注意」のいずれかについての措置をうける。

私の認識では、指導は不正を未然に防ぐために定期的に実施しているもので不正への抑止力だ。たいして、監査は不正への制裁措置だと思っている。

実際、指導は不正してなくてもランダムに呼び出される。監査は不正してない限りは来ない。

指導よりも監査の方が厳しいものだと思ってほしい。

また個別指導の結果、悪質な不正が疑われる場合はそのまま監査になることもある。

例えば、架空請求(調剤の事実のないものを調剤:一包化してないのに一包化加算とか)、無資格調剤とか、二重請求とか。

悪いことをしてたら監査いきである。

また、明らかな不正請求を繰り返している場合には指導を飛び越えて監査が入ることもある。


指導は事前通達があり書類を厚生局に持って行くことで行われるが、

監査は直接執行人が薬局を訪れてその場で業務を中断して強制的に行われる。そして、悪質な場合は保険薬局の取消処分となる。これすなわち廃業だ。警察の強制家宅捜索みたいなものですね。

ちなみに、指導や監査の法的な根拠は健康保険法や国民健康保険法にある。

個別指導の根拠(健康保険法73条、国民健康保険法41条、船員保健法)
「保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない」

監査の根拠(健康保険法78条)
厚生労働大臣は、療養の給付に関して必要があると認めるときは、保険医療機関若しくは保険薬局若しくは保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者(開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは保険医療機関若しくは保険薬局について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。


指導を受けやすい薬局


指導はいづれは回ってくるものだとおもっておいた方がいいが、

それでも指導を受けやすい薬局というものが存在する。


それは患者一人あたりの点数が高い薬局基準調剤加算をとっている薬局だ。



患者一人あたりの点数が高い薬局

つまり大学病院前の薬局がとにかく狙われやすい。

大学病院前の薬局は、まず薬剤料が高い、そして長期処方が多いので調剤料も高い。

個別指導は調剤報酬の返還を求めることを目的とする側面があるから患者単価の高い薬局は狙われるのだ。

基準調剤加算を算定している薬局

基準調剤加算を算定するためには、より質の高い医療を提供する薬局であることを要件としているので、

基準調剤加算を算定している薬局は他の薬局の見本となるべき存在なのだ。

算定基準が厳しいので、ちゃんと出来ているかどうかのチェックも厳しくなるので、指導の対象となりやすいと言われている(噂)

また基準をとると患者の単価が上がるのでこれも要因としてあげられるだろう。


個別指導はどのように行われるのか?


個別指導にはマニュアルが有り指導は「指導大網」(厚生労働省保険局長通知「保険医療機関等及び保険医などの指導及び監査について」)に沿って行われる。

原則、全国同じ内容と厳しさで行われるべきではあるが、都道府県によって厳しさが違うようである。

執行人も人なのでしょうがない。また、都道府県によって担当者が取り扱う薬局の数が全然違うので執行人の忙しさによっても変わってくる。


個別指導事前準備


まず指導は、厚生労働省から薬局に通知が届くところから始まる。

だいたい、2~3週間前に通知が届く。そこに持参する書類が書いてあるが、持参する薬歴の患者名はまだ記載されていない。

持参すべき患者リストは後日FAXまたは郵送で届く。

  • 当日準備していく書類リスト
  • 施設基準に罹る届出事項関係書類
  • 対象患者の調剤録、処方箋、薬歴、薬情、お薬手帳シール、領収証(控)
  • 明細書見本
  • 一部負担金徴収にかかる帳簿または日計表など
  • 業務日誌
  • 法人の場合は、登記簿謄本の写し、定款又は寄附行為の写
  • 土地及び建物の登記簿謄本の写しまたは賃貸借契約書の写
  • 審査支払機関からの返戻、増減点通知に関する書類
  • 在宅の薬学的管理指導計画など
  • 乳幼児指導加算を算定している場合へのお薬手帳へ記載した内容のわかるもの
  • 保険薬局の概要
  • 業務手順書
  • 安全管理のための指針
  • 薬局付近の見取図や薬局の平面図
  • 調剤業務のフローチャート

これだけの書類を短い期間で業務の合間をぬって揃えなくてはならない。

個別指導でもってく薬歴の対象患者は30名で、指導日の4日前と1日前に15人ずつにわけて届く。

届いたら、処方箋と調剤録探して、薬歴、薬情、手帳シールなど印刷して準備する。

薬歴については色々と聞かれるので全て読み返す必要があるし、薬学的なことも聞かれるので添付文書もひととおり目を通しておく必要がある。

1日前に15人届くから、ほぼ確実に徹夜することになる。



個別指導当日


出席者は、開設者と管理薬剤師は必ず出席しなければならない。任意で事務の責任者も参加することができる。

相手方は、指導官(委託された薬剤師)、厚生局の事務官、立会人として県薬剤師会の理事など

3~4名の複数名での面談と成る。

最初は、事務担当の指導官から薬局の運営状況の確認がなされる。

営業時間や薬剤師の名前や調剤の流れの確認などがなされる。

調剤の流れはほぼ毎回聞かれるようだからココはしっかりと答えられるようにしておきたい。

ポイントは、ジェネリックの希望の確認をいつするかと、服薬指導が終わってから会計(領収証)と調剤録を作成するところがキーとなる。

また、処方箋監査は処方箋を受け取ってから調剤をする前に行うことも注意しておきたい。

詳細:薬局の業務手順と調剤録作成のタイミング(関連記事)

薬局の運営的な質問が終わったら、次は薬歴チェックだ。これに一番気を使わなくてはならないし、審査官も時間をかけて行う。

薬歴のチェックポイントは、厚生労働省が公表している「個別指導において保険薬局に改善を求めた主な指摘事項」を参考にするといい。過去の指導ポイントがまとめてある。


各都道府県の管轄の厚生局がそれぞれで過去指導したポイントをまとめてくれているので、

事前に読み込んどけば、どのようなところを指摘されるか推察できる。

とくに、

薬歴は表紙の記載がしっかりと書かれていることが大事な要件になる。

表紙とは、患者の状態が一目でわかるようにまとめられている部分の事だ。

表紙には、アレルギー、併用薬、体質、禁忌、副作用歴などが一目でわかうに記載する。

副作用歴がない場合は「副作用:なし」と「なし」をしっかり記載して空欄がないようにする。

もし、薬歴の表紙が不十分とされて自主返還を求められた場合は、

対象となった患者だけでなく過去1年にわたり算定した全患者の薬剤服用歴管理料:41点が対象となる

仮に月1000枚の処方箋を応需していたとしたら1年分で約490万円の返還となる。

薬局存続の危機である。

過去の指導内容抜粋
  • 修正テープ、修正液、塗りつぶしにより訂正されていた
  • 調剤済年月日が不鮮明である
  • 漫然と長期に渡り処方されている疑いのある処方
  • 「以下余白」の記載がない
  • 同じ薬剤の規格違いを別剤としている
  • 服用時点が同一のものを別に算定している
  • 薬学的に見て粉砕不可であるにもかかわらず、疑義照会することなく粉砕している
  • 実際には一包化をしていないにも関わらず、保険請求している
  • 製剤工程が調剤録等に記載されていない
  • 指導した保険薬剤師の氏名ゴム印が複数押されているので指導した保険薬剤師が特定できない
  • 重複投薬や相互作用の確認をしていないにもかかわらず、重複投薬・相互作用防止加算を算定している例があった
  • 過去の薬剤服用歴の記録を参考にした指導内容の見直しが不十分

ホントに重箱の隅をつつくように指摘してくるが、イラッとして反論しては行けない。

返答するときも言葉を選んで、法を順守した内容で説明する。「会社の指示」「他の薬局でもやってます」は絶対に駄目。他もやってるからうちも請求してますとかいうと個別指導じゃすまず監査に発展しかねない。

とやかく言われることを我慢て概ね2時間程度で終わる。


個別指導その後


後日「概ね妥当」「経過観察」「再指導」「監査」のいづれかの通知が来る。

結果通知書以外にも、指導指摘事項書と自主返還のための手引なども含まれている。

これが届いたら改善報告書の作成と、自主返還手続きだ。

自主返還は、自主的に行うものなので、どこまで返還すればよいのかどうかは書いていないので指導の程度によって自信で決めることとなる。

また保険者別に返還書類を作成する必要があるので、数が多いとかなり大変な作業になります。

改善報告書を提出して「再指導」や「監査」とならなければこれで個別指導は終了です。


個別指導のために備えるべきこと


適正な業務内容の実施しかない。

とくに、薬歴の記載を普段から手を抜くことなく書く必要がある。

いざ呼び出しを食ってからでは薬歴を書きなおすことはできない。

指導は管理薬剤師や開設者しか関係ないと思っている薬剤師もいるので薬歴の記載は全従業員に徹底して行う必要がある。

幸いにも、過去の指導内容を厚生局が公開しているので、よく読めば薬歴で抑えておくべきポイントが見えてくるはずだ。

従業員全員で共有して普段から実践することが大切。

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