2014年11月26日

小児の粉薬の力価計算


調剤事務の最大の難所で超えなければならない山それが力価計算です。

実は、最大の難所であったのは一昔前の話で、

うちのレセコンくんは、先日のバージョンアップにより力価できた処方箋であってもボタンひとつで製剤量に変換してくれるようになりました

ですから力価計算なんてまったく必要なくなってしまいました。

最大の難所は、いまとなっては超えなくてもスルーできる平地になってしまったわけです。

うちではもう必要ありませんが、まだまだ古いレセコンの方には必要になります。

せっかくなので、

今回は、力価計算について解説します。

目次を用意したので計算方法だけ知りたい人は飛ばして下さい。

目次

そもそも力価(読み方:りきか)とは何でしょうか?

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力価とは
医薬品が一定の生物学的作用を示す量のこと。抗生物質や生物学的製剤では,同じ力価を示す重量が製造者により異なることがある。
三省堂大辞林より

力価は、薬の効き目が出る量のことなんだけど、

研究者とかが使うときは難しい意味があるのだが、病院や薬局で力価っていうと薬の成分量のことをいいます。

ほとんどの医薬品って、
主成分100%のものを服用するわけじゃなくって薄めたものを服用します。

たとえば、

カロナール細粒20%

このカロナール細粒20%は、主成分は20%しか入っておらず、残りの80%は乳糖、香料、甘味料などの効き目に直接影響しないもので薄めてあります。

なぜ薄めるかって?

それは100%薬の主成分だと、量が少な過ぎて正確に薬がはかり取れなかったり、味がまずくて飲めたもんじゃなかったりするから、工夫した結果薄めて作ったんです。

薬局内で「力価」という言葉を使うときは成分量を指します。

カロナール細粒20% 100mg

この場合は有効成分であるアセトアミノフェンの量が100mgで処方ってこと。

あくまでもアセトアミノフェンが100mgなのでカロナール細粒20%を100mgで量ってしまうと量が少ないことになってしまいます。

だから、この場合は「カロナール細粒20%」の量に変換してあげないといけません。

変換したカロナール細粒20%の量のことを製剤量といいます。

上記の例を製剤量にすると

カロナール細粒20% 0.5g

処方箋の書き方が違うだけで、どちらも同じ量の薬を処方していることになります。

医師は、好きな方のパターンで処方箋を出してきます。

目印はないので量が少なかったら成分量って判断します。

決められたルールと言うわけではないが、目安として単位が「mg」だったら成分量であることが多いです。

ちょっとややこしいので、まとめます。
カロナール細粒20% 100mg(成分量として)
カロナール細粒20% 0.5g(製剤量として)

比べてみると不思議ですよね。

記載量は違うのに、どちらも同じ0.5gを処方しなければなりません。

今回は親切に括弧して(成分量として)(製剤量として)って書いたけど普通こんなの書いてないから、
カロナール細粒20% 100mg(0.1g)
カロナール細粒20% 0.5g

この2つを同じものだとみなさないといけません。

極端に量が少ない場合を成分量とみなすわけだけど、量が少ないかどうかは薬剤師じゃないと判断できない。

だから、力価できたら薬剤師の指示を仰ぐようにしている。

では、次からが本題です。


力価の計算方法


薬局でいう力価計算とは、
製剤量 → 成分量
成分量 → 製剤量

相互に変換する計算のことだ。

早速、変換しよう。

ちなみに、これから例を出すときは「mg」で記載したら力価のことで、「g」で記載したら製剤量のことを意味することとします。

カロナール細粒20% 1g

これの成分量は?

これは簡単ですね。

1g の 20%なので0.2gです。

つまりアセトアミノフェン0.2gのこと

ただ、成分量にするなら単位は「mg」にしときたいので、

アセトアミノフェン 200mg のことだ。
計算式
1g × 20% ÷ 100 × 1000mg = 200mg

これは消費税の計算と同じです。

100円の5%は、いくらってのと同じことですね。

ただ、今みたいな製剤量→成分量このような変換をすることはほとんどありません。

だって、製剤量なら変換しないでそのまま入力すればいいだけですから変換作業自体必要ありません。

変換しなければならないのは、

成分量→製剤量こちらのパターンですね。

さっきは、パーセントをかけました、こちらは逆なのでパーセントで割ればいいだけ。
処方例
カロナール細粒20% 100mg(主剤として)

主剤として」とあるので、この場合はアセトアミノフェンが100mgのことです。

難しいこと言わずに20%で割ればいいだけ、

といっても、20でそのまま割るわけではありません。

事前に小数に直します。20割る100して20%=0.2ですね。これで割るだけです。

100mg  ÷ 0.2 = 500mg

最後に単位を「」に直すために1000で割って0.5gです。

計算式
100mg  ÷(20÷100)÷ 1000mg/g = 0.5g

今のを文字に直すと、

成分量(力価)÷(パーセントの数÷100)÷1000

もうちょっと簡単にして

公式
成分量 ÷ パーセントの数 ÷ 10 = 製剤量

ってことで、

この公式だけ覚えとけばOK

では、どんどん練習していきましょう。

処方箋
アセトアミノフェン細粒 200mg

アセトアミノフェン細粒には、実は3種類あります。これは規格の指定が無いですね。
①カロナール細粒20%なら?
②カロナール細粒50%なら?
③カロナール原末なら?

それぞれ上記の公式に当てはめて計算してみて下さい。

①1g②0.4g③0.2g あいましたか?


シロップはどうでしょう?
処方例
ムコダインシロップ5% 500mg

シロップの場合の5%ってのは正確に記載すると50mg/mLってこと

はしょらずにやると、

500mg ÷ 50mg/mL = 10mL

ですが、ここもさっきの公式を利用すれば、

500mg ÷ 5 ÷ 10 = 10mL

よって10mLで、同じ答えですね。

練習問題
①アスベリンDS2% 20mg
②アスベリン散10% 20mg
③アスベリンシロップ0.5% 20mg

答え①1g②0.2g③4mL

ちなみに、必ずしもパーセントが書いてあるとは限らない。
フロモックス小児用細粒100mg 150mg

この場合だとどうしましょう?

これは1g中に100mgのことで10%のことです。

パーセントにしてしまえば計算は同じですね。

150 ÷ 10 ÷ 10 = 1.5g

ただ、いちいちパーセントに直さなくても計算できます。

150mg ÷ 100mg/g = 1.5g

そうなんです、

つまり、規格だけで表示されている場合はそのまま割れば変換できるんです。

では、もうちょっと見てみましょう。
処方例
ホスミシンドライシロップ400 1000mg

1000mg ÷ 400mg/g = 2.5g

パーセントバージョンでやると400mg/gは40%のことだから、

1000 ÷ 40 ÷ 10 = 2.5g

同じ結果ですね。

つまり、
規格がパーセントじゃなければそのまま割ってあげればいいんです。

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