2016年7月7日

薬剤服用歴管理指導料を自動算定にしてると指導対象になるので注意

先日、近畿厚生局より27年度の「個別指導及び適時調査において保険医療機関等に改善を求めた主な指摘事項について」が公開されました。

資料置き場:
個別指導及び適時調査において保険医療機関等に改善を求めた主な指摘事項について/近畿厚生局

前年と比較して追加になった文章に、
レセプトコンピュータの初期設定が、薬剤服用歴管理指導料を算定するようになっており、自動的な算定となるおそれがあるので、改めること。
このような記載がされています。

自動算定できなくなったら困りますよねぇ。超めんどくさいですねぇ。

薬剤服用歴管理指導料は、ほとんどの方に算定している点数だから多くの薬局で自動算定してると思います。算定しない例外の人だけ手動で外してく感じです。

だって自動算定にしてガンガン算定していかないと、今回の改定で基準調剤加算や後発医薬品調剤体制加算がとれなくなって、これで薬剤服用歴管理指導料を算定しないともう薬局の経営立ちいかなくなってしまいます。

ちなみに、指導料をとってはいけない例としては、

Q&A(H28年調剤報酬改定)
(問25)手帳を持参していない患者に対して、患者から求めがなければ手帳に関する説明をしなくても50点を算定可能か。
(答)そのような患者については、手帳を保有することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者が手帳を用いない場合はその旨を薬剤服用歴の記録に記載することとしているため、手帳に関する説明を全くしていない場合は薬剤服用歴管理指導料を算定してはならない。

お薬手帳の説明をしなかった場合は薬歴指導料とれないんです。

厚労省の疑義解釈でとれないことを明確にしたてまえ、自動算定はダメと言わざる終えません。

レセコン会社は厚生労働省の意向にそったレセコン設計をしないといけないので、厚生労働省の見解が自動算定不可なら今後のヴァージョンアップでレセコン自体で自動算定の設定ができなくなってしまうかもしれません。

明細書の発行が義務化された際に、レセコン会社の仕様変更で0円の人の明細書を自動発行しないという設定ができなくなりました。発行しない場合は手動で印刷をはずすのでわりとめんどくさい。

今回の解釈を受けてレセコン会社が対応して自動算定が不可になってしまった場合は、算定忘れがめっちゃ増えて、薬剤師の監査で気がついて調剤録と領収証の再印刷パターンの連発が容易に想像できてこわいです。

算定のクリックする手間も増えるし、ホントこまる。

おまけ

薬剤師自身の処方箋は薬剤服用歴管理指導料は算定できない


ついでなので新たに交付された「個別指導及び適時調査において保険医療機関等に改善を求めた主な指摘事項について」で気になったのみてみる。
エ保険薬剤師自身に行った調剤に対し算定している例が認められたので、改めること。
自家調剤制限規程に反することはダメですよね。自家調剤制限規程は各都道府県の薬剤師国民健康保険組合が設けている規定です。

薬剤師が自営薬局で自身の薬を調剤するときは管理料や技術料の請求が制限されます。自身が働いている薬局で薬調剤して自分で薬歴書くとか意味ないし必要ないからです。

自家調剤における保険請求について(自家調剤制限事項について|神奈川県薬剤師国民健康保険組合)
次の場合において調剤を行った際の保険請求は、一部が制限されますのでご注意ください。
* ただし、75歳以上組合員は除きます。
  • 薬剤師事業主が、本人及びその家族に係る調剤を自営薬局で行う場合
  • 非薬剤師事業主が、本人及びその家族に係る調剤を自営薬局の薬剤師に依頼する場合
  • 薬剤師従業員が、本人及びその家族に係る調剤を勤務する薬局で行う場合(本店、支店間における調剤を含む)
  • 非薬剤師従業員が、本人及びその家族に係る調剤を勤務する薬局の薬剤師に依頼する場合(本店、支店間における調剤を含む)

薬歴管理料だけじゃないです。基本料以外はほとんど算定したらダメです。調剤料もとったらダメだし、一包化加算もダメです。

つまり一包化や計量混合はセルフサービスってことですね。

以前は、調剤料算定してよかったんだけど、最近厳しくしたのかな?どうせ自分で調剤するから調剤料も請求できないってのはまぁ納得ではあります。

その他気になること


パスワードの更新期限(最長でも2ヶ月以内)を設定していない。
薬歴のパスワードを最低でも2ヶ月おきに変更しないといけないみたいなのでめんどくさいですね。ちょくちょく薬剤師がパス変えたら確認めんどいやん。
スキャンした新患アンケートや処方箋をとりこむときって、薬歴に取り込むから薬歴記載のパスが要求されるんだけど、これは薬剤師のパスじゃないとはいれない。

まぁ、薬剤師がスキャンして取り込めばいいだけの話ですけどね。

「平成27年度に実施した個別指導において保険薬局に改善を求めた主な指摘事項」の薬学管理料のところ抜粋

今回取り上げたとこだけ赤でチェックしておきます。

薬学管理料に関する事項
(1)薬剤服用歴管理指導料
アレセプトコンピュータの初期設定が、薬剤服用歴管理指導料を算定するようになっており、自動的な算定となるおそれがあるので、改めること。

イ次の事項について、処方せんの受付後、薬を取りそろえる前に患者等に確認していない不適切な例が認められたので改めること。
①患者の体質・アレルギー歴・副作用歴等の患者についての情報
②患者又はその家族等からの相談事項
③服薬状況
④残薬状況
⑤患者の服薬中の体調の変化
⑥併用薬等の情報
⑦合併症を含む既往歴に関する情報
⑧他科受診の有無
⑨副作用が疑われる症状の有無
⑩飲食物(服用中の薬剤との相互作用が認められているものに限る。)の摂取状況
⑪後発医薬品の使用に関する患者の意向

ウ所有している手帳を持参しなかった患者に対して必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を交付した場合(手帳に記載しない場合)に、薬剤服用歴管理指導料の「注1」ただし書にかかる所定の点数を算定してない不適切な例が認められたので改めること。

エ保険薬剤師自身に行った調剤に対し算定している例が認められたので、改めること。

オ薬剤服用歴の記録
(ア)薬剤服用歴の記録について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a次の事項の記載がない又は不適切である。
①被保険者証の記号番号
②住所
③処方内容
④処方内容に関する照会の要点等
⑤体質
⑥アレルギー歴
⑦副作用歴
⑧患者又はその家族等からの相談事項の要点
⑨服薬状況
⑩残薬状況の確認
⑪患者の服薬中の体調の変化
⑫併用薬等の情報
⑬合併症を含む既往歴に関する情報
⑭他科受診の有無
⑮副作用が疑われる症状の有無
⑯飲食物(服用中の薬剤との相互作用が認められているものに限る。)の摂取状況
⑰後発医薬品の使用に関する患者の意向
⑱手帳による情報提供の状況
⑲服薬指導の要点
⑳指導した保険薬剤師の氏名
b服薬指導の都度、過去の薬歴を参照していない。
c鉛筆で記載している。
d訂正が適切でない。二本線で抹消しておらず、修正前の記載内容が判読不能である。
e薬剤服用歴の記録が、患者の状態に合わせた指導内容となっていない。
f患者情報の記載が乏しい。
g薬剤服用歴の記録が編綴されていない。
h確認が漫然化し、未確認事項も確認したように記載されている。
i薬剤服用歴の記録への服薬指導の要点等の記載が遅延している。
(イ)どのような副作用等に着目して聴取を行ったか等、薬学的な観点から聴取・確認した内容を記載し、患者への指導により活用できる記録となるよう努めること。

カ薬剤の名称等に関する主な情報を提供する文書(「薬剤情報提供文書」)
(ア)薬剤情報提供文書について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a次の事項を記載していない。
①用法
②用量
③効能、効果
④副作用
⑤相互作用
⑥後発医薬品に関する情報
b効能・効果に関する記載が、個々の患者の傷病に応じた内容になっていない。
c次の事項の記載内容が不適切である。
①服用及び保管取扱い上の注意事項(乳幼児であるにもかかわらず、成人向けの内容になっている。)

キ経時的に薬剤の記録が記入できる薬剤の記録専用の手帳(「手帳」)
(ア)手帳による情報提供について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a手帳に次の事項を記載していない。
①用法
②用量
③患者のアレルギー歴、副作用歴
④患者の主な既往歴
b服用に際して注意すべき事項を記載していない。

ク薬剤服用歴の記録(電磁的記録の場合)の保存等
(ア)次の不適切な例が認められたので改めること。
a運用管理規程がない。
b電子保存の真正性について、次の問題が認められた。
パスワードの更新期限(最長でも2ヶ月以内)を設定していない。
②入力者記録が確認できない。(処方欄)
③入力年月日記録が確認できない。(処方欄)
(イ)最新版の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.2版」に準拠するよう運用管理規程の更新を行う等、より適切な運用に努めること。

ケ麻薬管理指導加算
(ア)麻薬管理指導加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a麻薬の服用状況、残薬の状況,保管状況を確認していない。
b薬剤服用歴の記録に指導の要点を記載していない。

コ重複投薬・相互作用防止加算
(ア)重複投薬・相互作用防止加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a薬剤服用歴の記録に処方医に連絡・確認を行った内容の要点・変更内容を記載していない。

サ特定薬剤管理指導加算
(ア)特定薬剤管理指導加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a患者又はその家族にハイリスク薬であることを伝えていない。
b特に安全管理が必要な医薬品に該当しない医薬品について算定している。
c特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合に、その全てについての必要な薬学的管理及び指導を行っていない。
d対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点を薬剤服用歴の記録に記載していない。
e次の事項について、説明が不十分。
①服用に際して注意すべき副作用やその対処方法
②服用及び保管に係る取扱い上の注意事項
fこれまでの指導内容等も踏まえた適切な指導を行っていない。

シ乳幼児服薬指導加算
(ア)乳幼児服薬指導加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
a乳幼児に係る処方せんの受付の際に確認した、体重、適切な剤形その他必要な事項等について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載していない。
b患者の家族等に対して行った適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導の要点について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載していない。
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