2016年5月27日

3種類のロキソニンの成分を比較して違いを考察してみた

続々とロキソニンシリーズが発売されているので現在3種類のロキソニンがドラッグストアに陳列されています。

あの違いはご存知でしょうか?なんとなくゴールド色のもの効く気がしますが、本当にそうなのでしょうか?

登録販売者が本気出して調べてみることにしました。

成分を表にしてみるとこんな感じ。

有効成分 医療用ロキソニン錠(1錠中) ロキソニンS(1錠中) ロキソニンSプラス(1錠中) ロキソニンSプレミアム(2錠中)
ロキソプロフェンナトリウム 60㎎ 60㎎ 60㎎ 60㎎
酸化マグネシウム × × 33.3mg ×
アリルイソプロピルアセチル尿素 × × × 60㎎
無水カフェイン × × × 50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム × × × 100mg

さらに、添付文書に記載されている製品の特長を引用する

ロキソニンS
●痛みに速く効く特徴をもつ解熱鎮痛成分を含有しています。
解熱鎮痛成分[ロキソプロフェンナトリウム水和物]が,痛みや熱の原因物質(プロスタグランジン)をすばやくおさえ,すぐれた鎮痛効果・解熱効果を発揮します。
●胃への負担が少ないプロドラッグ製剤※です。
からだにやさしいプロドラッグ製剤で,胃への負担を軽減しています。
※プロドラッグ製剤とは,成分が体内で吸収されてから活性型に変化し,効果を発揮する仕組みの製剤です。
●眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含みません。
●1回1錠でよく効きます。
●のみやすい小型錠です。
ロキソニンSプラス
●痛みをすばやくおさえる鎮痛成分(ロキソプロフェンナトリウム水和物)を配合しています。
●胃を守る成分(酸化マグネシウム)をプラス配合しています。
●1回1錠でよく効きます。
●眠くなる成分(鎮静催眠成分)を含みません。
●のみやすい小型錠です。
ロキソニンプレミアム
●つらい痛みにすばやく効く鎮痛成分(ロキソプロフェンナトリウム水和物)に,アリルイソプロピルアセチル尿素を配合,鎮痛効果を高めます。
●さらに無水カフェインを配合,鎮痛効果を助けます。
●メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合,胃粘膜保護作用により,胃を守ります。
●のみやすい小型錠です。

表をみてもらえばわかりますがメインの鎮痛成分であるロキソプロフェンはどれも同量配合されています。痛み止めとしての効果はほとんどかわりありません。

他に、いくつか成分を追加したのがSプラスやプレミアムになりますが鎮痛成分が同じなので痛み止めとしての効果が激的に違うということはないでしょう。

効き始めるまでの時間が違うとかもあんまりないですね。ロキソプロフェンの特徴として効き始めるまでが早いというのがあります。だから、ロキソプロフェンが配合されている時点でどれも効き始めるまで早いです。

医療用のロキソニン錠の説明書をみるとこんな感じのグラフがあります。
ロキソニン錠60㎎を服用したときの血中濃度ですが、服用後1時間で効き目が最大になります。その前から徐々に聞き始めるので30分程度で効いてくるでしょう。

もし錠剤が早く溶けるから早く効くとかうたう商品があるとしたら、早く溶ける分だけ早く効くということで、違いは30秒くらいではないでしょうか?

ロキソプロフェンではないがイブプロフェンの◯◯クイックとかね。

では、ロキソニンシリーズの特徴を順番に見ていきます。

ロキソニンS


ロキソニンSの特徴をみてみると「眠くならない」「胃への負担が少ないプロドラッグ製剤」というのを売りにしています。

あと医療用のロキソニン錠と1錠中の有効成分量が同じなのも特徴ですね。
これをベースにして他のものはどのように違うのでしょうか?

ロキソニンSプラス


ロキソニンSの次に発売したのがロキソニンSプラスです。これはロキソニンSに単純に胃を保護する成分として酸化マグネシウム配合しただけです。そもそもロキソニンSは胃への負担は軽いのが特徴なので胃薬が絶対に必要ということはありません。それでも心配な人向けに胃薬を微量配合しています。

医者もロキソニンだすときはやたらと胃薬(ムコスタやセルベックス)だすから、胃薬は必須と思っている方も多く胃薬配合商品の需要はあるとおもいます。

胃を守る成分の酸化マグネシウムですが、こちらは制酸剤というカテゴリーの薬で胃酸を中和する効果があります。胃の粘膜を攻撃する胃酸を中和することで胃をまもってくれます。

この酸化マグネシウムという成分は、医療用では制酸剤として用いるよりは便秘薬として用いられることの方が圧倒的におおい。

マグラックス錠やマグミット錠に使われているのが酸化マグネシウムです。便秘のひとは1日1000㎎とか2000㎎とかつかうので、それに比べるとこのロキソニンSプラス錠には33.3㎎しか入ってないのですごく少ない量ですね。

マグラックス錠の医薬品添付文書より
制酸剤として使用する場合酸化マグネシウムとして、通常成人1日500~1000㎎を数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合酸化マグネシウムとして、通常成人1日2000㎎を食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
マグラックス錠を制酸剤として使用する場合は通常1日500~1000㎎ですから、それに対して1回33.3㎎はあまりにも少ないけど効くのかな?

酸化マグネシウムは便と混ざり合うことで周りの組織から便へと水分を誘導して、便を柔らかくします。腸を刺激するタイプではなく便を柔らかくするという緩下剤という緩やかなタイプの下剤として使われます。

ロキソニンSプラス錠の酸化マグネシウムが微量なのはあまり量を増やしてしまうと、効果として期待していない緩下効果を示してしまうかもしれないからです。つまり下痢をするリスクがあがってしまいます。便秘の人にはいいかもしれませんが下痢をしたら困る人もいるので鎮痛剤として販売するなら緩下効果は必要ありません。

ということで、このあたりのバランスを考えた結果がこの量なんだとおもう。

あと1錠に酸化マグネシウムを300㎎とかいれると錠剤がかなり大きくなってしまいます。このあたりのバランスもあるのかもしれません。

ちなみに、酸化マグネシウムってスゴく安いお薬です。これをほんの微量加えただけでお値段が急上昇では購入するに値しないけど、この点は安心です。通常のロキソニンSに約50円追加した程度の価格になります。

そうそう、酸化マグネシウムを追加しただけなのでこちらのロキソニンSプラスも眠くなる成分は入っていません。
次に、発売したのがロキソニンプレミアムです。

ロキソニンプレミアム


とにかくパッケージがカッコいい。
金色のパッケージがプレミアム感をかもしだしていますが、成分的には大したもの追加になっていません。そして、なによりも高い。気をつけてもらいたいのが1回2錠でロキソニンSと同じ量のロキソプロフェンになるので錠数で単純比較すると単価にだまされてしまいます。

追加になったのが、
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
無水カフェイン 50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 100mg

アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮静成分です。

こちらの製品特徴をみてもらえばわかりますが「眠くなる成分を含みません」の記載がなくなっています。鎮静成分配合なのでこれは仕方ないことですね。眠気どめということではないのですがカフェインも配合されています。

あと「1回1錠でよく効く」という記載もなくなっています。成分を追加したぶん量が増えてしまうのでロキソニンプレミアムの場合は1回2錠が常用量になります。

アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインはどちらも鎮痛補助効果を期待して配合されていますが、あくまでもメインはロキソプロフェンです。

ロキソニンが効かないからパワーアップしたプレミアムにして見ようと考える方は多いと思いますが、鎮静成分とカフェイン追加して劇的に効くようになるかというと微妙なとこだと思います。

だったら、いっそ違う成分に変えたほうがまだ望みはある。もし、頭痛とかでつかうならピリン系のものなんか試してみるといいといいです。まったく違う成分なのでこっちのほうが望みがある。ただし、ピリン系アレルギーのかたは使えません。

サリドンWi(サリドンダブルアイ)
1回量
イソプロピルアンチピリン(ピリン系) 150mg
イブプロフェン 50mg
無水カフェイン 50mg

イソプロピルアンチピリンとイブプロフェンのダブル鎮痛成分配合です。頭痛薬としてよく処方されるSG配合顆粒みたいな感じですね。

もし、頭痛にロキソプロフェンが効かない人は、つぎはピリン系を試してみて欲しい(ピリン系アレルギーには十分に気をつけて)。

このロキソニンプレミアムは胃を保護する成分がロキソニンSプラスとは違うマグネシウム製剤が配合されています。成分名はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムです。持続性があって胃酸を中和するだけでなく胃を保護する効果もあります。

キャベジンUコーワ配合医薬品インタビューフォームより
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
非吸収性の制酸剤で、その効力は乾燥水酸化アルミニウムゲルよりも強力かつ持続的である。
酸化マグネシウムが不評だったのかは知りませんが制酸剤が違うのになってますね。こちらの制酸剤なら量を増やしても緩下効果はないので1回量に100㎎が配合されています。

ただ、量を増やしてしまうとどうしても錠剤が大きくなってしまうので、このロキソニンプレミアムに関しては1回2錠が通常の使用量になります。

特徴に粒が小さくて飲みやすいと書いてあるけど残念ながら1回2錠なんです。

価格の方はというと普通のロキソニン錠より+500円くらいします。ロキソニン錠が680円くらいだから、かなり高額です。

+500円の価値を付加できてるかというと、うーんって感じ。パッケージにお金使いすぎじゃないかな。

最後に、

ロキソニンプレミアムとイブクイック頭痛薬を比較してみる。

市販の鎮痛薬では「鎮痛成分、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、制酸剤」は典型的な処方ですね。

そこまでプレミアムな感じはないです。

イブクイック頭痛薬と比較してみる。

有効成分 ロキソニンSプレミアム(2錠中) イブクイック頭痛薬(2錠中)
鎮痛成分 ロキソプロフェンナトリウム60㎎ イブプロフェン150㎎
酸化マグネシウム × 100mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 100mg ×
アリルイソプロピルアセチル尿素 60㎎ 60㎎
無水カフェイン 50mg 80㎎

ほとんど同じでしょ?
関連記事:ロキソニンにトラネキサム酸を配合すると胃粘膜障害が起こりにくくなるの?

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