2015年11月1日

どの診療科の門前薬局が一番儲る?


前回、薬局の利益について説明しました。

関連記事:薬局は1日40枚の処方箋だけでやってけるのか?

だいたい1日40枚ほどの処方箋がくれば採算があるってことがわかったと思うんだけど、ついでに、処方箋の種類によっては、利益が出やすい処方箋と、利益が薄い処方箋があるということも紹介しました。

さぁ、あなたがもし薬局を新規開局したいと思うのなら、どの診療科の門前薬局を選ぶといいのでしょうか?

今回も処方箋1枚あたりの粗利で見て行きたいと思う。

目次


1枚単価で計算するけど、もし月額になおしたければ1枚粗利を1000倍(1日40枚×25日営業)すればいい。

計算の前提

薬剤料≒売上原価ってことで、売り上げは調剤報酬合計のことで、売上原価は薬剤料のこと。

粗利 = 売上 - 売上原価
粗利 = 調剤報酬合計 - 薬剤料
粗利 = 技術料 + 薬剤料 - 薬剤料
粗利 = 技術料

技術料
調剤基本料:41点
薬剤服用歴管理指導料:41点
外 → 外用調剤料
内 → 内服調剤料
計 → 計量混合加算
自 → 自家製剤加算
乳 → 乳幼児指導加算

では、

比較的メジャーな診療科で、

眼科


処方例①
ヒアレイン点眼液 10本
1日3回(両目)

41+41+外10
合計92点

処方例②
パタノール点眼液 1本
1日3回(両目)

オドメール点眼液 1本
ひどい時

41+41+外10+外10
合計102点

①が全ての処方箋のなかで一番利益の少ない処方箋です。つまり外用剤1剤の処方はあまり利益が出ないということ

②外用剤が2剤になっただけなので①よりも10点高くなるだけです。
つまり外用薬は何剤あったとして大した利益にはならないということですね。眼科は調剤料で利益を出すのではなくとにかく数をこなして基本料で利益を出すほかない。

分析
全ての診療科の中でもほぼ最低の技術料です。これはとにかく数を意識しないとダメ。普通の処方箋って薬剤師1人あたり40枚が上限の目安なんだけど、眼科は処方が軽いので一人当たり60枚が上限とされている。1対1でやるなら最低でも60枚はきてもらはないと厳しい。


皮膚科


処方例①
リンデロンVG軟膏 10g
塗布(足)

ヒルドイドソフト軟膏 100g
保湿剤

41+41+外10+外10
合計102点

処方例②
リンデロンVG軟膏 10g
ヒルドイドソフト軟膏 10g
足(混合)

41+41+外10+計80
合計172点

処方例③
リンデロンVG軟膏 10g
ヒルドイドソフト軟膏 10g
足(混合)

ロコイド軟膏 5g
プロペト 5g
顔(混合)

アレロック錠 2錠
朝夕食後 30日分

41+41+外10+外10+計80+計80+81点
合計343点

①皮膚科の混ぜないパターンです。これも先ほど説明した目薬と同じで、ほぼ最低の粗利処方箋です。

②混合すると一気に跳ね上がりますね。混合は10g+10gのミックスであれば3分くらいでできます。3分で80点ならこれはなかなかいいものだと思います。皮膚科の混合はめんどくさいから混合がない皮膚科門前はいいなぁとか話してるけど、3分で800円ですよ?そこをしっかり理解してほしい。内服30日分のほうが調剤料高いし楽だとは思うけど、だったら皮膚科の門前に出すなよって感じ。皮膚科を選ぶなら混合する医師がいい。そして、予製がきくのであればなおよし。

③計量混合加算は混ぜた数だけとれるので混合は多ければ多いほどいい。さらに痒み止めも服用していれば内服調剤料もとれる。1枚おそらく10分位で3430円の利益ならこれはなかなかいいのではないでしょうか?

分析
もう、ほとんど言及してしまったけど、混ぜるとこだと高い技術料が見込める。また皮膚科は内服薬の処方も多いので軟膏の計量混合加算と内服調剤料が同時に見込める。


整形外科


処方例①
モーラステープ 70枚
腰に貼付

41+41+外10
合計92点

処方例②
ワンアルファ 1カプセル
1日1回 30日分

41+41+内81
合計163点

①シップだけなら最低の技術料だからこれは数出してなんぼって感じ。

②整形も内服薬でますよね。骨粗鬆症とかを注射薬じゃなくて内服薬で治療していく方針ならそこそこ技術料がある。骨粗鬆症の薬は継続しないと意味が無いのである程度長期処方が見込める。

分析
シップだけだと技術料は最低額です。内服薬が多く出るような整形ならいいけど、整形で1対1でやるのはちょっとむずかしいかもしれませんね。


内科


処方例①
ノルバスク 1錠
朝食後 30日

リピトール 1錠
夕食後 30日

41+41+内81+内81
合計244点

分析
こんな簡単な処方でも他の診療科のどれよりも高い単価になる。というのも内服薬が長期で処方されるところは技術料が高くなるのだ。だって、外用はひとつ10点だけど、内服なら30日で81点です。すごい点数ですよね。
内科の処方医はホントに様々な薬を使うんだけど、種類が多い分のみ方もたくさんあって、飲み方が多ければ多いほど調剤料は高くなる。内科の医師と1対1でやっている薬局はたくさんあると思います。それだけ内科の処方箋は美味しいんです。やっぱり狙い目は内科ですよね。内科はあと風邪薬が沢山でるけど風邪薬は処方日数が短いので単価が低いです。風邪しかこないクリニックはちょっと。


胃腸科


処方例①
パリエット 1錠
就寝前 30日分

41+41+内81
合計163

分析
胃腸科って限定しても、だいたい内科胃腸科ですよね。だから、胃薬だけじゃなくって血圧薬や糖尿の薬も出たりする。胃薬も長期処方されるので悪くないとおもう。血圧の薬や糖尿の薬もでるのであれば、内科と同じ扱いになるので、さっき内科の方で分析したとおりでなかなかいいとおもう。


小児科


処方例①
アスベリン散 0.3
ムコダインDS 0.6
ペリアクチン散 0.2
毎食後 5日分

フロモックス 1g
毎食後 5日分

41+41+計45+内35
合計162点

処方例②
メイアクト細粒1g
毎食後 5日分

ムコダインDS 0.6g
毎食後 5日分

ビオフェルミンR散 1g
毎食後 5日分

41+41+内35
合計117点

①小児科の典型的なかぜ処方箋です。これを作るのに最低でも15分は必要です。しかし、1枚粗利はどうでしょうか?なんとさっきのパリエット30日ぶん(3分)の方が儲かるではないですか。

②もっとやばいのはこの②です。これを作るのに最低でも20分は必要です。しかし、1枚の粗利は上記の①よりも少なくなっています。なぜなら混合してないからです。同じのみ方のものを混合しなければ加算は取れないだけでなく、飲み方が同じなので調剤料すらもとれません。作るのに20分かかるけど、眼科の目薬2種類と同じ単価なんですよ?ありえないですよね。

分析
一般の小児科の処方箋はほとんど風邪です。風邪だと日数が短いので技術料が伸びません。また小児の処方は混合を前提としており、飲み方を1種類にまとめる傾向があります。これだと調剤料が1つしかとれません。また、②のように混合しないで別々でわたしてしまったら、計量混合加算が取れないばかりでなく、飲み方方同じなら調剤料すらも取れません。

混合に手間がかかるわけではなくて、分包に手間がかかるにもかかわらずこの分包に対する手間賃をどこにも転嫁できないのです。挙句の果てには、容器代や分包紙代の薬を作成するためのコストも薬局負担です。

まとめ
手間がかかるのに、単価が低く、それだけじゃなくコストもかかる。さらに、服薬指導も時間がかかる。丁寧に服薬指導したぶんは乳幼児指導加算といって価格に転嫁できるけど、たったの5点です。

よって、小児科門前薬局の開局案件は絶対に避けるべきだと思います。


結果


外用がメインのところに関しては数がものをいう。内服がメインのところは日数がものをいう。
外用メインよりも内服メインの方が、技術料は高くなる。

やっぱり内科がいいよねって話。

何科の門前に開局するかによって、その薬局の運命が決まる。薬局には処方箋の応需義務ってのがあって、薬局が処方箋を選ぶことはできない。「くるものは拒めず。」

だから、最初の選択がものをいうんです!!

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