2015年7月22日

超簡単!小児薬用量の体重換算!!


小児の薬は体重毎または年齢毎で服用量が変わる。

薬局は処方箋に記載された量を鵜呑みにするのではなく本当にその量で正しいのかチェックして薬を作成する。

このチェックが処方せん監査だ。

普通はこのチェック薬剤師がやるんだけど、うちの薬局は事務もチェックする!!

なぜ事務がチェックするの?

小児の粉薬やシロップってオーダーメイドだから作るのにとにかく時間がかかる。だから、処方箋を受けたらすぐに作成を始めるわけだけど、もし処方箋が間違っていたら作った薬を破棄してまた新しいものを作りなおさなければならない。

時間も無駄だし薬も無駄になってしまう。でも早く作らなければならないジレンマ。

ということで、

うちの薬局では薬剤師が本監査をする前に事務がプレ監査をする。

事務が入力するついでに薬の量が多すぎないかを見て、薬剤師が薬を作成し始める前に気づくことができたら作りなおしをする手間が省けるわけだ。

もちろん入力し終わったあと薬剤師がもう一度チェックする。

でも体重換算とか専門的で難しいですよね?

実は、そんなことはないんです!!

うちの薬局には事務用の小児の薬監査ルールがあってそれがとても簡単で、見ただけで小児の粉薬の量が適切かわかるので、せっかくなので紹介します。

今回は、薬剤師と一緒にまとめましたが間違ってたらすみません。

事務監査の特徴は見た瞬間にわかるので早いです。だけど大雑把です。

あくまでも過量じゃないことをチェックする方法です。

普通の監査方法
体重11.5kgの人
セフゾン細粒 1g

1日量9~18mg(力価)/kgだから、
1g × 10% ÷ 100 × 1000mg/g ÷ 1日量9mg/kg = 11kg

よって予想体重11kgね。

実体重は11.5kgだから適量だと言えますね。

手順としては、1日量/kgを調べて製剤量を力価に直してから計算をします。

添付文書は力価で記載されていて薬剤師は力価をもとに予想体重を算出します。

実は、この計算とても無駄な部分があって、最初から製剤量をベースに計算すれば、いちいち力価に変換しなくても計算できるんです。

では、私がいつもやっている監査です。

多くの抗生剤は ◯g×10 で予想体重が出ます。

さっきのセフゾンの場合は 1g×10 で予想体重10kgです。

一瞬ですよね!!

実際の体重は11.5kgもあるので全然大丈夫ですね。

なぜ10倍すると予想体重がでるのでしょうか?

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さっきのセフゾンの力価計算を見てみましょう。

セフゾン細粒 1g
1日量9~18mg(力価)/kgだから 9~18 で幅がありますね。

今回は 10mg/kg つかって計算しましょう。

1g × 10% ÷ 100 × 1000mg/g ÷ 1日量10mg/kg = 10kg

10%10mg/kg でちょうど打ち消しあって、残ったのが1g×10です。

よって◯g×10で予想体重が出るわけですね。
この計算でわかることは規格(%)1日量mg/kgが一致しているものはすべて×10で予想体重が求められるということです。

そんな都合のいいものないでしょ?と思うかもしれませんがこれがたくさんあるんです。
薬品名 体重1kgあたりの1日量
フロモックス細粒10% 9~18mg
メイアクト細粒10% 9~18mg
トミロン細粒10% 9~18mg
セフゾン細粒10% 9~18mg
ジスロマック細粒10% 10mg
クラリスDS10% 10~15mg
オラペネム細粒10% 8~12mg
ミノマイシン顆粒2% 2~4mg
ナウゼリンDS1% 1~2mg


上記のものは◯% = 1日量◯mg/kg で一致しているので、これらが来たときは×10倍でおおよその体重が求められるわけだ。

<例1>
ジスロマック 1.3g
おおよそ13kgくらいの子にでていると思われる。

<例2>
ナウゼリン 2.2g
おおよそ22kgくらいの子にでていると思われる。

<例3>
クラリス 1.5g
おおよそ15kgくらいの子にでていると思われる。

簡単でしょ?

監査で多すぎるか少なすぎるかを見るだけならこのやり方でこと足ります。予想と極端に乖離するときだけ正確な数値を求めればいいわけだ。

セフェム系とマクロライド系はいい感じにカバーできていますが、ペニシリンやニューキノロンは対応してないのでちゃんと計算しなければならない。

ついでに、小児量が決められていないけど小児によく使う薬でビオフェルミン、アドソルビン、タンナルビンがある。

成人量
ビオフェルミン 1日3~9g
アドソルビン 1日3~4g
タンナルビン 1日3~10g

これらの薬も体重×10倍で使用されていることが多い。

成人量見ればわかるけど、けっこう幅がありアバウトだから小児も○g×10を目安にして問題ない。

<例1>
ビオフェルミン配合散 1.3g
おおよそ13kgくらいの子にでていると思われる。

<例2>
タンナルビン 2.2g
おおよそ22kgくらいの子にでていると思われる。

さっきのリストにビオフェルミン、アドソルビン、タンナルビンを加えるとより使いやすくなる。

これで小児のかぜ薬以外はだいたい網羅できたはずだです。

まとめ
処方量×10倍で体重が求められる薬剤
抗生剤
フロモックス
メイアクト
トミロン
セフゾン
ジスロマック
クラリス
オラペネム
ミノマイシン
その他
ナウゼリン
ビオフェルミン
ビオフェルミンR
タンナルビン
アドソルビン

続いてかぜ薬編に入る。

上記とかぜ薬をマスターすれば小児科の処方は受け取ったと同時に監査をすることができる。

ただ、かぜ薬はある程度の計算と暗記が必要になる。どのかぜ薬もだいたいムコダインが混ざってますよね。これを基準にして計算します。

うちでよく出るのがこれらの組み合わせです。

ムコダインDS
ムコソルバンDS
アスベリン散
ゼスラン細粒
ペリアクチン散

この処方の10kgの量を覚えて基準にするといい。

ムコダインDS 0.6g
ムコソルバンDS 0.6g
アスベリン散 0.2g
ゼスラン細粒 0.3g
ペリアクチン散 0.3g

一番大事なのはムコダインが10kgのとき0.6gということ。

他の薬は、これを基準にしてムコソルバンなら同量アスベリンなら1/3ゼスラン、ペリアクチンなら1/2と覚える。

つぎは処方例を見ていく

ムコダインDS 0.9
ムコソルバン 0.9
ゼスラン 0.45

まずは、ムコダインは0.9gってのは基準の0.6の1.5倍だから10kgの1.5倍で15kgの予想ですね。

ムコソルバンはムコダインと同量だからOK、ゼスランは1/2だからOKです。よって、15kgが予想される患者の体重です。

念のため1コずつみていきましょう。

ムコダイン 0.9g
0.9g×50/100÷30mg/kg×1000mg/g = 15kg

ムコソルバン 0.45g
0.9g×1.5/100÷9mg/kg×1000mg/g = 15kg

ゼスラン 0.45g
0.45g×0.6/100÷0.12~0.24mg/kg×1000mg/g = 11.25~22.5kg

予想体重15kgで大丈夫そうですね?

最後に表にしてまとめるので、今度はシロップについても見ていきます。

シロップの時もやはり基準はムコダインです。
10kgの場合
ムコダイン 6mL

ムコソルバンは1/2で3mL、ペリアクチン、ゼスランなら同量で6m、アスベリンは2/3で4mLです。

ちなみにアスベリンは1日2mg/kgで計算しています。

次の処方はどうでしょう?

ムコダイン 8mL
ムコソルバン 8mL
アスベリン 5mL

ムコダインは6mlで10kg、1.5倍の9mlで15kgです。

8mLなら13~14kgくらいと推察できますね。

ムコソルバンは同量だからOK、アスベリンも2/3だからOK

よって、予想体重は13~14kgです。

ムコダインを①としたときの比
シロップ
ムコダイン 1 1
ムコソルバン 1 1/2
アスベリン 1/3 2/3
ペリアクチン 1/2 1
ゼスラン 1/2 1

これで風邪薬もバッチリですね。

あとは、細かいのを気合で覚えましょう。

アセトアミノフェンは1回10mg/kg だから、
カロナール200なら20kg
カロナール細粒20%0.5gなら10kg
アンヒバ50なら5kg
アンヒバ100なら10kg

全部、÷10で体重になる。

ホクナリンテープ
3才~9才が1mg
これ以外が0.5mgか2mg
 ホクナリンサンキュー1mgで覚えればOK

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